VRChatアバターのインポート前に知るべき3つのこと
BOOTHで見つけたお気に入りのアバター、早くVRChatで使ってみたいですよね。
でもその前に、アバターのインポートがなぜ少し難しく感じるのか、そしてどうすれば失敗せずに進められるのか、その「理由」を知っておくことがとても大切なんです。
ここを理解しておけば、後の作業が驚くほどスムーズに進みますよ。
そもそもアバターのインポートはなぜ難しい？仕組みを解説
結論から言うと、アバターのインポートが難しく感じるのは、ゲーム内の着せ替えとは違い、「3DモデルデータをVRChatというプラットフォーム用に最適化する」という、一種の開発作業に近いプロセスだからです。
VRChatのアバターは、ただの画像ではなく、ポリゴンという多角形の集合体でできた立体的なデータで、色や質感を決める「マテリアル」や「シェーダー」、動きを制御する「ボーン」など、たくさんの要素で構成されています。
これらの複雑なデータを、誰もが快適に楽しめるようにVRChatのルールに合わせて正しく設定し直す作業。
それが「インポート」の正体なのです。
これを手作業で行うのは大変ですが、今は便利なツールがあるので安心してくださいね。
Unity初心者でも大丈夫！VCCを使えば失敗しない理由
「開発作業なんて聞くと、やっぱり無理かも…」と思ったあなた、大丈夫です。
今のVRChatアバターインポートには、「VRChat Creator Companion」、通称「VCC」という非常に強力な公式ツールがあります。
このVCCは、アバターインポートに必要な複雑な設定の多くを自動で管理してくれる優れもの。
昔は手動で一つ一つ設定ファイルを導入する必要があり、バージョン管理も大変で、まさに玄人の作業でした。
しかし、VCCの登場によって、必要なツールをボタン一つで導入できたり、プロジェクトの管理が楽になったりと、初心者でも失敗しにくい環境が整ったのです。
この記事も、VCCを使うことを前提に解説していくので、安心してついてきてください。
【重要】インポートは自己責任！知っておくべきリスク
VCCの登場で安全になったとはいえ、アバターのインポート作業には、自己責任の原則が伴います。
これは、VRChat公式が提供している機能の範囲を超えて、ユーザー自身がUnityという外部の専門的なツールを使ってデータをアップロードする行為だからです。
具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- アバターの不具合:
手順を間違えると、アバターが正しく表示されなかったり、動かなくなったりすることがあります。 - プロジェクトデータの破損:
Unityの操作ミスにより、せっかく設定したプロジェクトデータが壊れてしまう可能性もゼロではありません。 - VRChatのアップデートによる影響:
VRChat側の仕様変更で、昨日まで使えていたアバターが突然使えなくなる、ということも起こり得ます。
こうしたリスクを理解し、何か問題が起きても「自分で解決する」という心構えを持つことが、VRChatでアバターを楽しむ上での大切なマナーの一つと言えるでしょう。
VRChatアバターインポート5ステップ【VCC対応版】
お待たせしました！ここからは、いよいよVRChatへのアバターインポートの具体的な手順を5つのステップで解説していきます。
✅ 1. VCCをダウンロードする（これはもう済んでいるんですね、さすがです！）
まずVCCを準備できているのは完璧です！
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/13/vrchat_vcc
✅ 2. Unity Hubをダウンロードする
次に、Unity Hub をダウンロードしてください。
これがないとUnity自体が管理できないので、必須です！
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/14/unity-hub
✅ 3. Unityをダウンロードする
Unity Hubを開いて、VRChat推奨バージョンのUnityをダウンロードしてください。
バージョンを間違えると後でエラーが出やすいので注意です！
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/14/unity-hub
✅ 4. VCCでプロジェクトを作成する
VCCを開いて、New Project から新しいプロジェクトを作成します。
このとき Avatar を選択するのを忘れないようにしてくださいね！
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/13/vrchat_vcc
✅ 5. Unityにアバターをインポート、アップロードする
作成したプロジェクトをUnityで開いて、購入したり作成したりしたアバターのファイルをドラッグ＆ドロップで入れてください。準備ができたら、Unity上で VRChat SDK の Builder を開いてアップロードします。
これでVRChat内で自分のアバターとして使えるようになります！
現在の主流であるVCC（VRChat Creator Companion）を使った、最も確実で安全な方法です。
一つ一つのステップを、僕と一緒に確認しながら進めていきましょう。
ステップ1：必要なソフトとアバターデータとソフトを準備する
まず、アバターインポートという料理を始めるための「材料」と「調理器具」を揃えましょう。
具体的には、以下の4つが必要です。
- PC:
Unityを動かすためのパソコンです。一般的なゲーミングPCであれば問題ありません。 - インポートしたいアバターのデータ:
BOOTHなどで購入したアバターのzipファイルをダウンロードし、解凍しておきましょう。 - Unity Hub:
複数のUnityバージョンを管理するための公式ツールです。公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。 - VRChat Creator Companion (VCC):
アバターやワールドのプロジェクトを管理するためのVRChat公式ツール。こちらも公式サイトからダウンロードしてインストールしておきましょう。
特に重要なのが、VRChatが推奨するUnityのバージョンを、Unity Hubを使ってインストールすることです。
Unityは、バージョンが違うとアップロードできない原因になるので、VCCの案内に従って正しいバージョンをインストールしてくださいね。
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/14/unity-hub
https://vrchat-times.com/unity/2025/06/13/vrchat_vcc
ステップ2：VCCでUnityプロジェクトを新規作成する
全てのソフトウェアの準備が整ったら、VCCを使ってアバターインポート用の作業場となる「Unityプロジェクト」を作成します。
VCCを起動すると、プロジェクト一覧画面が表示されるはずです。
画面の右上などにある「New」ボタンをクリックし、「Avatar Project」を選択しましょう。
プロジェクトに好きな名前を付けて「Create Project」を押せば、VCCが自動的にVRChatアバター制作用のファイル一式を含んだUnityプロジェクトを用意してくれます。
これだけで、昔は手動でやっていた面倒な初期設定のほとんどが完了するのですから、本当に便利な時代になりました。
ステップ3：Unityにアバターのパッケージを導入する
プロジェクトが作成できたら、いよいよ主役であるあなたのアバターをUnityに登場させましょう。
BOOTHなどで購入したアバターデータの中には、通常「（アバター名）.unitypackage」という名前のファイルが含まれています。
これが、アバターのモデルやテクスチャ、設定などがひとまとめになった魔法のパッケージです。
この.unitypackageファイルを、開いているUnityのプロジェクトウィンドウ（Assetsフォルダがある場所）にドラッグ＆ドロップしてください。
インポート確認のウィンドウが表示されたら、すべての項目にチェックが入っていることを確認して「Import」ボタンをクリックします。
これで、あなたのアバターがUnityプロジェクトの一員になりました！
ステップ4：SDKコントロールパネルからアップロードする
アバターの導入が完了したら、Unityの画面上部にあるメニューから「VRChat SDK」>「Show Control Panel」を選択します。
すると、VRChatへのログイン画面が表示されるので、ご自身のVRChatアカウントでログインしてください。
ログイン後、「Builder」というタブに切り替えると、現在シーンに配置されているアバターの情報が表示されます。
ここでエラーが出ていなければ、「Build & Publish for Windows」という青いボタンが押せるようになっているはずです。
このボタンを押すと、アバターのアップロードが始まります。
初めてのアップロードは、ドキドキする瞬間ですよね。
ステップ5：VRChat内でアバターを確認できれば完了！
アップロードが完了すると、VRChat内でアバターに名前を付けたり、説明文を書いたりする画面になります。
必要な情報を入力して、規約同意のチェックボックスにチェックを入れると、最後の「Upload」ボタンが押せるようになります。
このボタンを押して、アップロードが100%完了すれば、すべての手順は終了です！
本当にお疲れ様でした。
さっそくVRChatを起動して、メニューの「Avatar」を開いてみてください。
今アップロードしたばかりの、あなたの新しい姿があるはずです。
そのアバターを選択して、鏡の前に立った時の感動は、きっと忘れられない体験になりますよ！
アバターを魅力的に！インポート後のおすすめ初期設定3選
無事にアバターのインポートが完了したあなたへ。
本当にお疲れ様でした！でも、VRChatアバターの楽しみはここからが本番です。
インポートしたてのアバターに少しだけ手を加えるだけで、その魅力は何倍にも膨れ上がります。
ここでは、僕が特におすすめする3つの初期設定を、世界一わかりやすく解説しますね。
髪や服を揺らす「PhysBones」の基本設定
アバターの髪やスカート、ケモミミなどが、あなたの動きに合わせて自然に揺れたら素敵だと思いませんか？
それを実現するのが「PhysBones」という機能です。
これはVRChatに標準で備わっている物理演算機能で、難しい設定をしなくても、比較的簡単に「揺れもの」を導入できます。
Unityの画面でアバターの揺らしたい部分（例えば髪の毛の根本など）を選択し、「Add Component」から「VRC Phys Bone」を追加するだけ。
あとは重力のかかり具合や揺れの硬さなどをスライダーで調整すれば、あなたのアバターに生命が吹き込まれます。
フレンドに「あ、髪揺れてる！かわいい！」って言ってもらえると、すごく嬉しくなりますよ。
好きな表情を登録！「Expression Menu」の設定
VRChatの魅力は、ハンドサインによってアバターの表情を豊かに変えられる点にもあります。
この表情設定を司るのが「Expression Menu」です。
購入したアバターには、多くの場合、あらかじめ素敵な表情がいくつか登録されています。
しかし、自分で好きな表情を追加したり、左右の手で違う表情を出せるようにカスタマイズしたりすることも可能です。
アバターのDescriptor設定の中にあるExpressionsの項目から、既存のメニューを編集したり、新しいメニューを作成したりできます。
「このハンドサインの時は、この笑顔にしたいな」というあなたのこだわりを、ぜひ反映させてみてください。
表情が豊かになると、コミュニケーションももっと楽しくなるはずです。
他のユーザーに配慮する「パフォーマンス最適化」の初歩
自分だけのアバターでオシャレをすることはとても楽しいですが、VRChatはたくさんの人が集まる公共の空間でもあります。
そのため、自分のアバターが他の人のPCに負荷をかけすぎていないか、配慮することも大切なマナーの一つです。
アバターの負荷は「パフォーマンスランク」という指標で示され、「Excellent（緑）」から「Very Poor（赤）」まで段階があります。
UnityのVRChat SDKコントロールパネルで、あなたのアバターのランクを確認してみましょう。
もしランクが赤色の「Very Poor」だった場合、他のユーザーからは正しく表示されない可能性があります。
アバターのテクスチャサイズを小さくしたり、不要なポリゴンを削減したりする「最適化」という作業を行うことで、このランクを改善することができます。
少し難しい作業かもしれませんが、周りの人からも愛されるVRChatユーザーになるために、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。
よくあるエラーと解決策｜インポートで困った時のQ&A
アバターのインポート作業には、残念ながらエラーがつきものです。
僕も最初はエラーが出るたびに半泣きになっていました（笑）。
でも大丈夫、ほとんどのエラーには原因と解決策があります。
ここでは、特に初心者が遭遇しがちな代表的なエラーとその対処法をまとめました。困った時は、ここを辞書のように使ってください。
アバターがピンク色になる原因と対処法
これは初心者が経験するエラーの第1位かもしれません。
アバターをUnityに入れたら、なぜか全身がショッキングピンクになってしまう現象です。
「私のデータが壊れた！？」と焦るかもしれませんが、安心してください。
これは、アバターの色や質感を表現するための「シェーダー」というプログラムが、Unityプロジェクトに正しく導入されていないことが原因です。
解決策はとてもシンプル。
アバターを購入したBOOTHのページや、付属の「ReadMe」という説明書ファイルをもう一度よく読んでみてください。
「lilToon」や「UTS2」など、事前に導入が必要なシェーダーの名前が書かれているはずです。
その指定されたシェーダーを先にUnityへインポートしてから、もう一度アバターのパッケージをインポートし直せば、きっと綺麗に表示されるようになりますよ。
アップロードボタンが押せない時の確認ポイント
「全部設定したはずなのに、SDKコントロールパネルのアップロードボタンがグレーアウトして押せない！」これも、本当によくあるつまずきポイントです。
こんな時は、まずUnity画面の下部にある「Console」というウィンドウをチェックしてみましょう。
ほとんどの場合、ここにエラーの原因が赤い文字で表示されています。
よくある原因と確認ポイントは以下の通りです。
| エラーの状況 | 確認するべきポイント |
| 全般 | UnityやVCCのバージョンがVRChatの推奨通りか？ |
| エラーメッセージあり | メッセージをGoogleで検索すると、解決策が見つかることが多い |
| エラーメッセージなし | アバターのポリゴン数が極端に多くないか？（パフォーマンスランクを確認） |
| エラーメッセージなし | アバターに必須のコンポーネント（VRC Avatar Descriptorなど）が外れていないか？ |
特に英語のエラーメッセージは難しく感じるかもしれませんが、翻訳ツールなどを使えば、解決のヒントが隠されていることがよくあります。
諦めずに原因を探ってみましょう。
導入したアバターの再設定や更新はどうする？
一度インポートしたアバターを修正したい時や、VRChatのアップデートに対応させるために再アップロードが必要になることがあります。
その場合は、基本的に新規でインポートした時と同じ手順を踏むことになります。
VCCからUnityプロジェクトを開き、修正したいアバターの設定を変更した後、再度SDKコントロールパネルから「Build & Publish for Windows」を押して上書きアップロードするだけです。
ここで注意したいのは、VRChatの大型アップデートがあった場合です。
アバターの仕様が大きく変わることがあるため、修正前に必ずX（旧Twitter）や公式ブログなどで、最新の情報を確認するようにしましょう。
古い手順のまま作業すると、エラーの原因になることがありますからね。